細胞が元気になる食事
私達の身体は、およそ60兆個の細胞からできています。
細胞と聞くとイメージがわきませんが、皮膚、心臓、肝臓などの一つ一つの臓器をつくっているのが「細胞」なのです。
細胞は栄養がないと、正常な働きを行うことができません。
今回は細胞を元気にするために必要な食事についてまとめていきたいと思います。
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《目次》
1 元気な細胞には糖質が必要不可欠?2 細胞の材料はたんぱく質
2-1 たんぱく質の必要量
2-2 たんぱく質は消化をよくして摂ろう
3 ビタミンとミネラルの重要性
4 毒素を入れない
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1 元気な細胞には糖質が必要不可欠?
私達は食事を摂り、血糖値が適度に上がり(血糖値の上がりすぎは良くありません)、インスリンというホルモンによって、細胞内に糖質が取り込まれてはじめて、細胞内でエネルギーを作り出すことができます。
しかし、ダイエットをしていて無理な糖質制限をしてしまうと、糖が枯渇してしまい、エネルギー不足となり、元気が出ません。臓器レベルでみると、糖質は筋肉を動かしたり、肝臓や心臓などの内蔵を動かしたりする際に必要となります。
ところで、糖質なら甘いもの?
と短絡的に考えてしまうのは危険です。
なぜならば、甘いものにはたくさんのお砂糖が含まれていて、急激な血糖値の上昇を起こしてしまうからです。
血糖値の急上昇を起こしてしまうと、将来の糖尿病をはじめとした生活習慣病のリスクの上昇や肥満の原因となってしまいます。
血糖値を急激に上げにくい、食物繊維のたっぷり入った玄米やさつまいも、芋類から糖質を摂っていきましょう。
精製された白砂糖には、ビタミンやミネラル、食物繊維が入っていません。
一方の玄米や芋類は、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。
主食のお米(玄米や胚芽米がおすすめ)は、1食あたり150gのお茶碗1膳くらいでしたら、気にせずに摂りましょう。
ただし消化を良くするために、しっかりよく噛んで食べましょうね。
2 細胞の材料はたんぱく質
次にたんぱく質をみていきましょう。
たんぱく質は一番大事な栄養素ですが、不足している人が多いのも現状です。
特にダイエットのために無理にカロリーを減らしている若い女性は要注意です。
細胞自体も「たんぱく質」が材料になっています。それもそのはずで、髪、皮膚、目、骨、内蔵はたんぱく質ですからね。特に「コラーゲン」というたんぱく質はとても重要です。
ホルモン焼肉屋で食べるマルチョウなどのホルモンはコラーゲンたっぷりです。
牛筋もコラーゲンの塊です。動物の身体はコラーゲンをはじめとした、たんぱく質から構成されていることがおわかりいただけたでしょうか。
2-1 たんぱく質の必要量
ではたんぱく質はどれくらい必要でしょうか。
一般的には体重1キログラムあたりたんぱく質1gくらいを目安にしていきましょう。
体重50㎏の女性でしたら、50gのたんぱく質は摂りたいです。
アスリートや活動量の多い人、術後などストレスの多い人は、それ以上のたんぱく質が必要になっていきますので、あくまでも目安です。
毎食手のひら分の大きさのたんぱく質を1日3食、摂るようにすると、体重1キログラムあたりたんぱく質1gの理想に近づきやすくなります。
2-2 たんぱく質は消化をよくして摂ろう
しかしたんぱく質をやみくもに増やすと、消化不良を起こし、下痢や便秘になってしまう人もいます。消化できないたんぱく質は、腸内環境を荒らしてしまいます。
ですから、よく噛んで、大根おろしなどの消化を促進する食材と一緒に召し上がりましょう。
3 ビタミンとミネラルの重要性
次に、ビタミンとミネラルについてです。
冒頭で、細胞では糖質がエネルギーとなり、筋肉や内臓を動かしているとお話しをしましたが、必ずビタミンとミネラルも一緒にないと、エネルギーは作られません。
細胞の中にあるミトコンドリアという場所で、エネルギー(ATP)は大量に作られているのですが、そこではビタミンB群、マグネシウム、鉄などがチームとなりエネルギー産生をしています。
現代人は甘いものが大好きです。お砂糖たっぷりのスイーツを大量に食べている人はビタミンB群とマグネシウムを消費してしまいます。
サプリメントでビタミンB群とマグネシウムを補給することも良いかもしれませんが、それよりも、スイーツを減らすことの方が大切です。
また月経のある女性は、閉経後の女性や男性と比べて、多くの鉄を消耗してしまいます。ですので意識してレバーや赤身のお肉、ほうれん草などを食べることをお勧めします。貧血の自覚症状がなくても、意外と鉄欠乏の女性は多いのです。
4 毒素を入れない
最後に毒素の話をして終わりにしましょう。
現代は食品添加物、環境ホルモン、重金属などの毒素が体内にたまりやすい環境となっています。
便利な加工品と引き換えに、多くの食品添加物を体内に入れています。
品質を保持する「保存料」、見た目や色をきれいにする「着色料」、もちもち滑らかな食感にする「増粘剤」など。
そしてペットボトルやプラスチックは、環境ホルモンと言って、乳がんやPMSなどの女性系疾患との因果関係が取りざたされています。
細胞の正常な代謝のためにも、これらの毒素はできる限り体内に摂り入れないようにしたいものです。
いかがでしたでしょうか。
できることからでよいので、細胞によい食生活を心がけてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考文献】