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アレルギーと腸内環境

食物アレルギー、花粉症、ハウスダスト、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などアレルギーに悩まされている方は多いのではないでしょうか。

厚生労働省によると、なんと「国民の3人に1人」が何かしらのアレルギーを持っていると言われています。

驚くほど多いですよね。

今回は腸内環境とアレルギーについて詳しくお話しをしていきたいと思います。

仕事中に鼻をかむ女性

目次

1 子供に多い食物アレルギー

2 その他のアレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー)

3 アレルギーと腸内環境

4 免疫力を整える方法

4-1 免疫力を整える食事

1 子供に多い食物アレルギー 

食物アレルギーについて「7大アレルギー(特定原材料)」がありますが、これらは一般的にアレルギーを起こすとアナフィラキシーなどの急性な症状、重症な方が多いアレルギーです。また症例件数も多い食材となります。そのため食品業者、外食産業にはアレルギーの表示義務があります。

7大アレルギー(特定原材料):小麦、乳、卵、えび、かに、そば、落花生

子供の頃に小麦や乳製品アレルギーが起こりやすいのは、子供はまだ消化がうまくできないことや、腸の粘膜が未熟で弱く、食べ物でアレルギー反応を起こしやすいからです。大人になるにつれて腸の粘膜が丈夫になり、アレルギー反応がなくなり完治するケースが多くみられます。

湿疹が悪化してしまった幼児の腕

一方で、大人になってから発症する食物アレルギーの場合は、ストレスや不規則な食生活、生活習慣など、いろいろな要因が重なり、「腸内環境の悪化」によりアレルギーが発症するケースがほとんどです。

やはり「アレルギーがある食物を除去する」のが前提となりますが、腸内環境も改善していく必要があります。そのためには、食生活・生活習慣を正しく変えていくことが重要です。

2 その他のアレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー)

食物アレルギー以外の花粉症、ハウスダスト、アトピーなどのアレルギーは、食事や生活習慣に気をつけることによって、ある程度症状を抑えることも可能です。

一番は腸内環境を良くすることです。

3 アレルギーと腸内環境

本来は無害のはずの花粉や食物の未消化物が体内に侵入してくると、それを異物だと認識して、免疫細胞が体を攻撃する結果、アレルギー症状が起こります。

本来の免疫細胞は、ウイルスや細菌と戦ってくれて、私達の体を守ってくれている頼もしい存在です。

ある意味、アレルギーが起こる人は、免疫細胞が優秀すぎのかもしれません。

少しぐらい「鈍感」になってくれていれば、アレルギーにならずに済むのにと思いますが・・・

この免疫細胞の暴走を止めること、すなわち免疫を抑える事で症状を良くしますので、一般的にはステロイド剤(免疫抑制剤)を処方されることがあります。

免疫の暴走を止める免疫細胞(この免疫細胞を「制御性T細胞」といいます)は、腸内細菌によって作られています。

免疫細胞の7割は腸で作られると言われているほど、腸は免疫の要(かなめ)になりますので、兎にも角にも腸内環境を整えることが重要です。

4 免疫力を整える方法

クローン病やバセドウ病などの自己免疫疾患も免疫の暴走ですので、腸内環境の悪化が要因として考えられています。

以前の記事で小麦製品を食べるとクローン病や潰瘍性大腸炎のリスクが増加すると言うお話をしました。

詳しくはこちらをご覧ください。

つまり腸粘膜の炎症を起こす食品である小麦製品・乳製品・精製砂糖の摂りすぎ・悪い油の摂りすぎに気をつけていくことが重要になります。

4-1 免疫力を整える食事

アレルギーを抑制するには、腸内環境を整える必要があるとお話しをしました。

腸内環境を整える食事は、

  1. 小麦製品を控える
  2. 乳製品を控える
  3. オメガ6系の脂肪酸の摂りすぎ(サラダ油)、トランス脂肪酸(マーガリン)を控える
  4. 砂糖たっぷりのスイーツを控える(特に精製砂糖とブドウ糖果糖液糖)
  5. 食品添加物と農薬を減らす

これにプラスして腸内環境を整える発酵食品や食物繊維を日ごろから意識してとっていきましょう。

発酵食品は、味噌・漬物・納豆など食物繊維は、野菜類・海藻類・キノコ類そして、胚芽米や雑穀に含まれてますので、バランスの良い食事を心がけましょう。

4-2 免疫力を整える生活習慣

最後に腸内環境を整える生活習慣として良質な睡眠を心がけましょう。

しっかりと寝ることで、自律神経のバランスを整え、腸内環境を整えることにつながります。

常に体が緊張している状態(交感神経が優位)では、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動の動きが止まり、食物の消化不良や悪玉菌の増殖が起こります。

当たり前かもしれませんが、規則正しい生活習慣と食習慣、ストレスコントロールによってアレルギーとうまく付き合っていくことも可能になります。 

アレルギーは、炎症を抑制するホルモン(コルチゾール)によってコントロールされています。

このコルチゾールの分泌は、朝が一番高く、夜が一番低いので、一般的にはアレルギーは夜に悪化することが多いのです。

アトピーの痒みが夜になると悪化する人、夜になるにつれて花粉症が悪化する人は多いはずです。

コルチゾールは、ストレスによって大量に分泌されますので、仕事中はアレルギーはおさまるのに、仕事が終わると悪化するということもあります。

またストレスが長期的に続くと、今度はコルチゾールの分泌が低下していきます。

ですからストレスが長期に続いている人は、とにかくストレス発散方法を見つけたり、リラクゼーションを意識した生活を送ったりするなどの工夫をする必要があります。

いかがでしたでしょうか。

今回はアレルギーと腸内環境についてのお話しでした。

アレルギーがある人は、今日からでも出来ることから始めて腸内環境を整えていきましょう。

【参考文献】
感染症と免疫力 藤田 紘一郎(著)