グルテンを控えた生活を取り入れるときのコツ
皆様、こんにちは。
本日も、グルテンフリー米粉パン工房「田んぼのパン工房 虹の穂」ホームページへお越しくださり、ありがとうございます。
前回のコラムでは、「グルテン」とは、どんなものなのかを取り上げました。
現代のグルテンは、昔のグルテンと異なり、出来上がりの食感の多様性や大量安定供給を目的に品種改良が繰り返され、身体に影響を及ぼしやすいものに変化しています。
ですが、「消化しにくいもの」となってしまったグルテンだけが、身体に影響を及ぼしているわけではありません。完全に精⽩された⼩⻨粉、多くの食品添加物、酸化した油なども⼀因です。
今回は、グルテンを控えた食生活を送る上で参考になればと思うテーマをお届けします。
グルテンを控えているのに、体調が優れない?
皆様は、グルテンを控えた生活(グルテンフリー生活)を実践したときに、
「なんだか体調が優れない(すっきりしない)」となった経験はありませんか?
結論から申しますと、これは、グルテン以外の栄養素が不足していたという可能性があるからなのです。
グルテンは、⼩⻨に含まれるたんぱく質の⼀種で、もちっとした食感やふわふわした食感を出してくれる「美味しさ」の成分ですが、食物アレルギーを引き起こす原因でもあります。喘息や蕁麻疹など目に見えてグルテンが原因であることが明らかな症状もあれば、頭痛や腹痛、膨満感、倦怠感など原因がはっきりとわからない症状もあります。
「グルテン=⼩⻨」と勘違いされることもありますが、⼩⻨全体のことを指すわけではなく、糖質でもありません。
ですが、アレルギー等の発症を避けるために⼩⻨そのものを食べない、ということになります。
そうすると、糖質を控えることになるため、結果的に痩せることがあります。ここから「グルテンフリー=ダイエットに効果的、健康」という印象が強くなりました。
⼩ ⻨ と ダ イ エ ッ ト の 関 係 に つ い て は 、 こ ち ら の コ ラ ムでわかりやすくご説明していますので、改めて読んでみてくださいね。
糖質を制限する方法やカロリーを制限する方法など様々なダイエット方法がありますが、重要なのはバランスの良い食事と「炎症」を起こさないこと。
⼩⻨には、ビタミン B やミネラル、食物繊維が含まれています。もちろん、お米にも含まれていますが、「グルテンフリー」にこだわるあまり、糖質の摂り方やグルテン以外の栄養素のバランスを忘れがちになってしまうこともあります。
特に、食物繊維は、便通を整えて腸内環境を良くしてくれます。
また、糖質・脂質などの体内への吸収を穏やかにしたり、余分なものを体外へ排出してくれたりします。
腸内環境を良くすることは、健康への第⼀歩ですね。
グルテンフリー生活を送る際は、栄養バランスも意識していきましょう。
グルテンのダメージを最⼩限に抑えるには?
グルテンを控える(グルテンフリー)生活をしていても、アレルギーでなければ、たまには⼩⻨製品を食べたい、と思われる方もいらっしゃると思います。
筆者も、⼩⻨粉を購入しないので、基本的にグルテン控えめの食生活を送っています。
ただ、たまに⼩⻨が含まれているものを購入したり、⼩⻨を原料のひとつとしたお醤油を使用しているため、完全にグルテンフリーではありません。
材料にこだわったパン屋さんの⼩⻨のパンを購入することもあります。
では、グルテンを摂ったときに、身体への影響を最⼩限に抑えるにはどうしたら良いでしょう?
グルテンを摂ることでアレルギー発作が起きたり、体調が悪くなったりするのは、グルテンが腸で悪さをして炎症を引き起こしてしまうからです。
前項で食物繊維が腸内環境を良くしてくれる、とお話しました。
つまり、食物繊維のように、腸内をグルテンのダメージから守ってくれたり、炎症を抑えてくれたりする食材をしっかりと補うことが、重要なのです。
抗炎症作用のあるものとして⼀番効果的なのは、「オメガ3脂肪酸」です。
・ アマニオイル
・ エゴマオイル
・ ⻘ ⿂
・ ナッツ(特に、くるみ)
などに多く含まれています。
⼩⻨製品を楽しむときは、「オメガ3脂肪酸」を⼀緒に摂取したり、前後の食事で「オメガ3脂肪酸」意識して摂ったりすると良いでしょう。
また、⼩⻨製品に使用されている「⼩⻨」に着目することも重要です。
スーパーなどに多く出回っている安い⼩⻨製品や⼩⻨粉は、品種改良を重ねられたもので、これらの⼩⻨に含まれているグルテンは昔の⼩⻨よりもはるかに身体への影響が強いものとなっています。
⼩⻨の産地や品種などがわかるようであれば、しっかりと確認し、ご自分が安心安全だと確認できるものを選択しましょう。
「選ぶ」ということも、ダメージを最⼩限に抑えるために大事なことです。
からだは、食べたものでできています。
食べるものを選択することは、重要な対策ですね。
当店「田んぼのパン工房 虹の穂」が販売しています米粉パンは、グルテンを⼀切使用していない米粉パンです。
材料にも、ひとつひとつ厳選し、食品添加物も最⼩限に抑えています。(⼀部の調理パンや菓子パンに、「食の安全性」のために使用しているものがございます)
⼀言で「米粉パン」と言っても、グルテンが添加されたもの、⼩⻨のパンの食感に近づけるための添加物が使用されたものもあります。
抗炎症作用のある食材、⼩⻨に対する安全性、そして、添加物。
選択しながら、グルテンフリー生活を楽しんでいきましょう!
基本は、「まごわやさしいこ」
皆さんは、「まごわやさしいこ」とは何か、ご存知でしょうか?
ま ( ま め ) …… 豆 類
ご ( ご ま ) …… 種 実 類
わ(わかめ) …… 海藻類
や(やさい) …… 緑⻩⾊野菜、淡⾊野菜、根菜類
さ(さかな) …… ⿂介類
し(しいたけ) …… きのこ類
い ( い も ) …… 芋 類
こ(こうそ) …… お味噌、納豆、キムチ、生食など
昔から日本になじみのある食材で、栄養学的にも理に叶ったものの頭文字を使った合言葉です。
腸内環境を良くしてくれる食材が、たっぷりと含まれていますね。
食物繊維、発酵食品、そして、お米。
グルテンを控える、と言っても、身体のエネルギー源である糖質を控えることはできません。日本には、昔から「お米」を食べて、エネルギーとしていました。
どんなものであれ食べ過ぎはよくありませんが、適量の米食はグルテンを含んでいませんので、腸内環境を悪化することがありません。
「まごわやさしいこ」と食事の基本としていくことが、⼀番のコツです。
ですが、やはり「お楽しみ」も欲しいですね。
そんなときは、当店の米粉パンをぜひともご利用くださいませ!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
【参考文献】
・『医者が教える食事術 最強の教科書』
/牧田善二(ダイヤモンド社)
・『医者いらずの食』
/内海聡(キラジェンヌ株式会社)