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お米の新しい食べ方・米粉~虹の穂のお米への熱い想い②~

グルテンフリー米粉パン

 

今回も、当コラムをお読みくださり、ありがとうございます。 

 

前回は、米粉パンの仕上がり・味わい等に左右する、一番大事な材料「米粉」について、 虹の穂の強い想いからお話させていただきました。 

 

当店は、数種類のお米をブレンドして米粉パンを作っています。 

今回は、「田んぼのパン工房 虹の穂」の米粉パンの味や食感を左右する「お米」につい てお話させていただきます。 

 

 

 

米粉パンの味わい・食感のこだわりは、製粉方法から 

稲

 

当店・虹の穂では、「ヒノヒカリ」という品種をメインに数種類のお米を米粉にしたもの をブレンドして、米粉パンを作っています。 

数種類の米粉をブレンドすることで仕上がりが安定するため、いつも変わらない食感・味 わいの米粉パンを、皆様にお届けすることができています。 

しかし、このブレンドする数種類の米粉の配合は、その日の環境や気候等で変わります。 

 

それだけ、米粉は繊細なのですね。 

 

前回 の コ ラ ム で取 り上げました、製粉方法・技術への終わらない研究は、お米の「でんぷん」と関係が深いの です。 

 

お米を製粉するとき、「でんぷん損傷」は避けて通れない道です。

田んぼのパン工房  虹の穂では、地元企業様と独自開発した、でんぷん損傷を最小限に抑え る製粉技術でお米を製粉しています。

 製粉方法は、「気流粉砕」。 

 

お米を洗ったあと、浸水させて脱水します。

その後、大量の空気とお米を高速回転させて粉砕加工します。 

そうしてできあがった米粉を乾燥させて、異物等が入っていないかの厳しい検査をクリアしたものが、虹の穂へ届きます。 

 

 

 

米粉 稲

 

虹の穂では、通常の気流粉砕よりもはるかに上の技術で気流粉砕をして、でんぷんの損傷を 抑えるための専用設備を備えています。

 

市販のパン用米粉を使って米粉パンを焼いたときに、膨らまなかったり、とても固くなっ てしまったりといったことがあるかもしれません。 

筆者も、もちろん、あります。

そういうときは落ち込みますが、「お餅」としていただきます。 

元々はお米ですから、甘辛醤油や海苔、きなこと和えたりしても良いですし、一晩卵液に漬 けて(あるいは、ココナッツミルクに漬けて)、翌日フレンチトーストにして食べたりしても美味しいです。 

皆様も、ぜひお試しくださいね。 

 

さて、

この、米粉パンの出来上がりの違いは、「でんぷん損傷」が大きく影響しています。 

米粉パンを焼いたときに、膨らまなかったり、膨らんでも固くなってしまったりする原因は、 使用した米粉に含まれるでんぷんが壊れてしまっているので、水分や熱が必要以上に逃げ てしまうためです。 

壊れたでんぷんが少ない米粉を使うと、でんぷんが余分な水分や熱をちょうど良い具合に逃がしてくれるため、ふっくら膨らみますし、柔らかさも出ます。 

 

米粉パンの仕上がりに重要なカギを握る「でんぷん」。

故に、製粉方法・技術への設備投資も怠りません。 

 

田んぼのパン工房虹の穂の店長は、この「でんぷん損傷」具合も見極めながら、日々、安定した米粉パンを作っております。 

 

 

米粉パンの味わい・食感のこだわりは、お米そのものへのこだわり 

 

当店が米粉にして使わせていただいているお米は、可能な限り「一等米」であるお米です。 

「一等米」とは、国から認められた専門検査官による厳しい検査に合格したお米のことで、 とても優秀なお米のことです。 

一等米のヒノヒカリは、お米として炊いても、米粉に製粉して米粉パンとして食べても、 とても美味しく、とても幸せになれる味わいです。 

 

 

 米粉パン

 

 

お米作りは、全国各地で生産されていますが、やはりお米作りに適した地域、というのがあります。 

 

生産量の多い地域の特徴は、 

① お水がたくさんあるところ

② 広くて、平らな土地が多いところ

③ 水はけが良いところ

④ 昼夜の温度差が大きいところ 

 

お米作りには、水が欠かせません。

大きな川があったり、雪解け水が豊富なところが適していますので、北陸地方は、日本でも有数の米どころですね。 

大都市で農地の少ない東京都や大きな川がない沖縄県は生産量が少なめです。

大きな川が近くにあると、しっかりと田んぼに水を引くことができるのです。 

 

また、昼夜の温度差が大きいことも重要です。

昼間にしっかりと太陽をあびて、でんぷんを作り、気温が下がった夜に栄養をたくわえます。 

この栄養を蓄えてお米が発育する時期を「登熟期」というのですが、この「登熟」がしっかりとできてこそ、とても美味しいお米に仕上がります。 

稲穂の先にある固いもみ殻の中に、ミルクのような液体がたまり、それが固まってお米と なります。 

昼夜の温度差は、この液体が固まるまでの間に、甘さや旨みをしっかりと引き出してくれる重要な役割があるのです。 

 

 

稲

 

そして、水はけの良さも重要です。

稲作には、水はとても大事なのですが、水はけが悪いと、古い水がいつまでも残ってしまい、 水中の酸素も少なく、稲の根が呼吸できない状態となってしまいます。 

水はけが良く、いつも新鮮で酸素の多いきれいなお水を稲も好みます。 

 

お米作りは、自然が相手ですので、毎年必ず同じような出来栄えであるとも限りませんし、 さらに、一等米が確実に入手できる、とも限りません。 

毎年、米粉に使うお米を契約農家から仕入れているのですが、やはり不作期は、悩みます。 

ですが、だからと言って、妥協しないのがプロであり、「田んぼのパン工房 虹の穂」。

これも、安心・安全な米粉パンを皆様へお届けしたいという想いがあるためです。 

 

一枚の田んぼでも、一日の中で、お日様によく当たるところとあまり当たらないところという差が出てきます。 

その日照差も米粉の出来に左右されますので、生育環境も気にかけています。 

 

お米を「虹の穂の米粉パン」に適した粉にする技術も長年研究を重ねてきていますが、お米そのものについても、契約農家と綿密に掛け合いながら、こだわり続けています。 

 

 

田んぼのパン工房 虹の穂は妥協しない 

 

2回にわたって、虹の穂の米粉パンの材料についてお話させていただきました。 

米粉パンを作るだけではなく、お米・製粉方法からこだわる虹の穂。

当店は、「妥協しない」という強い想いを持っています。 

 

皆様へお伝えしたいのは、「グルテンフリー=美味しい」ということ。 

数年前よりも、グルテンフリーが浸透してきていますので、美味しさも進歩してきました。 

ですが、まだグルテンフリーであるがゆえに美味しさに欠ける、というものもあります。 

 

グルテンフリーの生活がいかに大変なものか、症状によっては、醤油一滴さえ難しいことは、店長が小麦アレルギーであるがゆえに、ひしひしと感じます。 

 

当店では原料に小麦粉及び小麦グルテンは一切使用せず、さらに食品に対する安全性を明確にするため、製造の工程においても店内・スタッフにおいても、飲食物の持ち込みを一 切禁止し、さらに、厳しいグルテンフリー検査を実施して、「安心・安全」を徹底しており ます。 

 

日本は、お米が主食ですが、小麦も昔から作って食べてきました。うどんやそうめん、お醤油は、伝統的な小麦を使った食べ物ですね。 

 

現在は、食生活の欧米化から、お米の消費量よりも小麦の消費量がはるかに上回っており、 小麦アレルギーを始め、小麦摂取について何らかの症状を抱えている方にとっては、食べる ものへの選択肢が非常に狭くなっています。 

 

当店の新商品は、必ず、社員・スタッフ全員が「美味しい!」と納得したものしか販売し ておりません。 

こちらも、妥協していない点のひとつ。 

 

小麦に負けない美味しさのグルテンフリー商品開発は、虹の穂に限らず様々なところで行われていて、目覚ましい進展を遂げていますが、反面、コンタミネーション(アレルゲン等 の異物混入)の解消についてはなかなか進歩してないのが現状です。 

 

「グルテンフリー=美味しい」という技術と、「コンタミネーションの解消」問題。 

 

田んぼのパン工房 虹の穂は、これら両方にしっかりと向き合いながら、皆様に美味しい 米粉パンをお届けしております。 

 

 

次回は、今月3月に新たに発売しました「グルテンフリーの揚げ物」について取り上げます!

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。 

 

 

【参考文献】 

・『お米のこれからを考える①お米の品種と産地どうしていろいろあるの?』 

  /「お米のこれからを考える」編集室(株式会社理論社)

・『お米のこれからを考える④お米とごはん  新しい形  加工品&お米ニュース』 

  /「お米のこれからを考える」編集室(株式会社理論社)

・『日本のお米づくり④お米の研究最前線』 

  /株式会社岩崎書店