虹の穂米粉パンの材料へのこだわり
前回のコラム で、当店の「米粉パン作り」に対する想いをお話させていただきました。
今回は、【虹の穂米粉パン】の材料へのこだわりについて、お話させていただきます。
米粉パンと日々真剣に向き合う
当店で販売している米粉パンの材料については、当店ホームページにも記載しておりま すが、 当店の米粉パン専⽤に製粉した米粉、⽩神こだま酵⺟、国産きびら糖、ミネラル豊富な⾃然 塩、素材が生きるお水、こめ油を基本原材料としています。
現在、「米粉パン」と表⽰されて販売されていても、原材料表⽰をよく⾒ると「⼩⻨グルテ ン」と記載のあるパンもあります。
米粉を使⽤していても、⼩⻨グルテンが使⽤されていると、それは⽴派な⼩⻨のパン。
⼩⻨アレルギーの人はもちろんですが、過敏性腸症候群(※)などの人も注意が必要です。
※ 過 敏 性 腸 症 候 群 : 詳 し く は 、 当 HP コ ラ ム をご覧くだ さい。
原材料の表⽰の確認は、何等かの食物アレルギーがある人にとっては、必須です。
筆者は、⼩⻨や卵など、いわゆる「表⽰義務のある特定原材料7品目」のアレルギーはあ りませんが、貝類にアレルギーがあり、エキスも身体が拒否をするため「ホタテエキス」や 「かきエキス」なども注意しなければなりません。
話がそれましたね。
当店・虹の穂の米粉パンは、正真正銘、⼩⻨グルテンは、もちろん、イーストフード、保 存剤、乳化剤、増粘剤、安定剤などの添加物は、一切使⽤しておりません。
ただ、ウインナーパンやベーコンネギエピなど、一部の調理パンや菓子パンの材料には、 「食の安全性」のために添加物を使⽤しているものもございます。
さらに、日本には「四季」がありますので、一年を通して、気温や湿度などが一定ではあり ません。
日々、微妙に変化する温度や湿度を感じ取り、材料の配合割合や水分量を調整し、発酵具合 もそのときそのときで⾒極められています。
米粉は、温度・湿度にとても敏感な材料です。
これは、経験のあるプロの職人でないとなかなかわからないことなのですが、米粉を触る と、「いつもと違う感触」というのがわかるそうです。
虹の穂のパン職人は、この「違和感」を感じ取り、材料の配合を変えて米粉パンを日々作 ってらっしゃるとのこと。
それでも、いつもと同じ米粉パンができないときもあります。
毎日毎朝、早朝から始まる虹の穂の米粉パン作りは、いきなり「商品」を作るのではなく、 「試作」から始まります。
このように、虹の穂のプロの職人が真剣に向き合うことで、いつも変わらない味わいの米 粉パンが私たち消費者(購入者)の元に届いているのですね。
本当に、感謝しかありませんね。
さらに、前回のコラムでもお話しましたが、⼩⻨を含むすべての食物の持ち込みを禁止し、 安全管理が徹底されています。
だからこそ、どんな方も安心して召し上がることができるのですね。
現在の材料に至るまで〜お砂糖とお塩〜
米粉がとても繊細で、温度・湿度に敏感な材料であることを先ほど少しお話しましたが、 米粉は、お米を製粉して作られたものですね。
この「お米」については、【田んぼのパン工房 虹の穂】は、材料の中で一番こだわりをお 持ちでしたので、次回のコラムでお話させていただきたいと思います。
ここからは、米粉以外の材料について、お話をしましょう。
米粉パンへの研究は、今でも続いており、常に試作・研究を重ねていらっしゃいます。
「グルテンフリー=美味しい」を目指して。
米粉パンは、米粉以外に、⽩神こだま酵⺟・国産きびら糖、ミネラル豊富な⾃然塩、素材 が生きるお水、こめ油を基本原材料としています。
⽩神こだま酵⺟は、世界⾃然遺産である「⽩神⼭地」で発⾒された天然酵⺟です。国産か つ、⼩⻨由来ではない天然酵⺟であり、乳化剤なども使⽤されていません。米粉パンにも相 性の良い酵⺟を当店では採⽤しています。
国産きびら糖…「きび砂糖」ではなく、「きびら糖」です。
聞き慣れない方もいらっしゃるかと思います。筆者も馴染みがありませんでしたが、虹の穂 店⻑によると、
「通常、よく使われるきび砂糖は甘みに荒々しさがあるため、米粉パンには繊細さを求めた かった。ただ、和三盆や三温糖は繊細すぎて味に主張がなくなる。現在は、奄美大島から取 り寄せたきびら(喜美良)糖が甘さもちょうどよく、メインに使⽤している」 とのこと。
お砂糖には、色々な種類があることはご存知だと思います。
産地はもちろん、精製方法も様々ですね。
⽩砂糖よりも精製されていないきび砂糖の方が甘さは強くない、とか、⿊砂糖はコクや深み のある甘さがある、とか、甜菜糖はあまり主張をしない優しい甘さがある、といったことは、 筆者も知っていましたが、
きびら糖は「繊細な甘さを持つ」というのは知りませんでした。
今度、虹の穂米粉パンを食べるときは、お米の甘さを邪魔しない「繊細な甘さ」にも注目し てみたいですね。
続いて、お砂糖同様に、やはりこだわりを持って選び抜かれた「お塩」について、お話し たいと思います。
お塩は、ミネラルの多い「⾃然塩」であることを大前提としています。
⾃然塩も、産地や製造方法により、味わいが異なります。
店⻑曰く、
「⾃然塩でも塩分が多いと塩辛くなるので、ミネラルの多いものを選んでいます」。
虹の穂米粉パンで現在使⽤している「π の塩」は、天然ミネラルを含み、甘みとまろやかさ を持つ⾃然塩です。
米粉パン作りに欠かせないお水
⼩⻨のパンであっても、米粉パンであっても、お水を使⽤します。当店は、米粉パン作り に使⽤する「お水」にもこだわりを持っています。
ホームページには、「お水」についての記載はありませんが、こちらも実は、店⻑を始めと した【田んぼのパン工房 虹の穂】職人のこだわりがあります。
米粉食パンについては、ミネラルが多く硬水に近いお水が使⽤されています。
日本は軟水が主流ですので、馴染みが薄い方も多いかと思います。味に敏感な方は、硬水 を飲むと苦味を感じる方もいらっしゃいますね。
筆者も、硬水は苦手です…
水槽に硬水を入れておくと、石のようなもの(カルシウムやマグネシウムが結晶化したも の)が側面に付着しますね。
ミネラルが多いお水は、素材の味が活きるそうです。
だからこそ、シンプルかつ繊細な味わいの「米粉食パン」に使⽤されています。
米粉食パン以外の米粉パンには、カルキを完全に抜いた浄水が使⽤されています。
米粉パンの出来を左右する、大事なお水。
虹の穂は、お水にも、しっかりとこだわりを持って厳選しております。
油は、どうなのだろう…
今回のコラムの最後は、油についてお話させていただきます。
これまで、酵⺟・お砂糖・お塩・お水についてお話してきました。
どれも厳選した材料を使っています。
しかし、実は、油については「米油」を使⽤していますが、こちらは強いこだわりを持っ て選んだわけではなく、一般的な米油を使⽤しています。
(粗悪品は、使⽤していません)
油の役割は、コクを出すこと。
米粉パンの材料すべてにこだわりを持ってしまうと、味にまとまりがなくなってしまうの だそうです。
味にも、足し算・引き算などが必要で、足したり引いたりすることで、味にまとまりが生ま れ、全体としてのバランスが良くなります。
米粉食パンは、その絶妙なバランスで繊細さを出しているそうです。
油も色々試したそうですが、米油以外は「大味」になってしまって、まとまりがなくなった そうなのですね。
「こだわる」ことも大事だけど、求める味わいを目指して、足し算・引き算のバランスも 大事です。
人生においても、足し算・引き算、バランスは、大事ですよね。
今回のコラム作成にあたって、「田んぼのパン工房 虹の穂」代表取締役及び店⻑に、お 忙しい合間を塗って、取材のお時間を頂戴しました。
本当に、ありがとうございます。
米粉パン作りを通じて、人生についても学ばせていただいた気もしますね。
次回は、虹の穂がもっともこだわり、力を入れている「お米」について書かせていただき たいと思います。